―11年前―
「ヒカルッ!ブランコ乗ろう♪」
「いいぜ!どっちが高くこげるか勝負だヒカリッ!」
私とヒカルはあの日も、近所の公園に2人で遊びに来ていた。
たんぽぽが、可愛らしい黄色い花を咲かせていた。
暖かな、春の日だった。
「よっしゃぁ!おれの勝ち!」
「違うよ!あたしの方が高かったもん!」
いつものように、喧嘩をしていると・・・
「・・・・・あ。あのオジサン・・・」
ヒカルが突然ぽつりと呟いた。
「え?なに?」
私は訳がわからず、ヒカルを見つめる。
すると・・・・・・・・・・
「!!!ヒカルッ!?」
ヒカルがいきなり走り出した。
しかも、全速力で。
私は全く意味がわからなかったけれど、とりあえずヒカルを追った。



