女は儚げに微笑んだ。

「ええ、そうね。今度は、名前ぐらいは覚えてもらいたいわね。」


どきっ。

やっべえ。
気づいてたのかよ?

俺が名前覚えてないって・・・


「あなたも、良い恋をね。ヒカリさん。」

「はい!初恋さえまだなので、頑張ります!!!」

「ふふっ。頑張ってね。

・・・シュウ様?」

女が俺に話しかける。

「・・・・なんだ?」


「私、シュウ様に恋してました。
・・・少し、ですけど。
でも、本気でしたよ?」

切なそうに女は微笑む。


「少しの夢を、ありがとうございました。
・・・・・さようなら。」


女は駆けて行った。

どこかに。



「・・・なあ、ヒカリ。」

「はい。」


「いつから、あいつが俺に本気で恋してたって、気づいたんだ?
・・・・俺でも、わからなかったのに。」