「専務、おはようございます。」
秘書と本日の予定を
確認する事は日課
「本日は、新卒採用の最終面接が
ございまして…
人事部から、こちらを
お渡しするよう
預かっております。」
そういって、渡されたのは
履歴書のコピー
秘書が卓上においてくれた
コーヒーを飲みながら
下準備のため、履歴書に
目を通す。
一部上場企業のわが社に
入りたいと
毎年膨大な応募から
絞りこまれた応募者
俺にとっては……
口にはしないが……
こんな建前だらけの志望理由は
どうだっていいのだが…
数枚の履歴書をめくる手を
とめた。
「…これは…」
写真をみて目を見開く
「藤村…瑞希…」
藤村か…違うよな…
一瞬 乱れた鼓動が
元にもどった。