私が、はしゃいでいると、
後ろから、
「かわい〜」
と、よしくんの声がした。
「だって海とか、久しぶりなんだもんっ」
「ね、靴下脱いで海入んないの?」
「入る!」
2人とも脱いでくるぶしくらいまで海に入る。
「あやちゃんっ」
「なぁに?」
「手、出して?」
言われた通りに手を出すと、よしくんの大きな手が私の手を包み込んだ。
冷たいものを、私の手の中に置いたよしくんは、にこにこ笑っている。
よしくんが手をどけて、私がみると、小さなカニがいた。
「カニだよ」
「知ってるよ」
そう言って2人で笑った。
なんだか、本当のカップルのようで、ドキドキした。

