そこまで言うと、紫音の目には止まったはずの涙がこぼれた。
沖田はじっと聞いている。
紫音は震える声で続けた。
紫「俺は嬉しかった。
家族以外にあの姿を見せれば、みんな離れて行ったから、本当に嬉しかったんだ…!
だけど、結局はダメだった…
人を狙って襲いかかった妖怪から拓馬を守るために、怖かったけど姿を晒した。
戦いが終わって、拓馬に無事を聞いた。
そしたら、怯えた目で言ったんだ。
【化け物!近づくな!】
…俺には信じられなかった。
どんな奴だろうと、俺たちはずっと一緒。
そう言ってくれてたから…
俺は口封じだけをしてその場を去った。
その後はもう大泣き。
…拓馬だけには信じてもらいたかった。
たとえ他の人が怖がったりしても、信じてくれなくても、拓馬にだけは…!」

