沖田side

沖田が紫音を見つけたのは道場にある中庭だった。

桜と思われる大きな木の枝で丸くなっていた。

沖田はそっと声をかけた。

沖「…闇暗さん、そこにいたんですね。」

紫音はとっさに顔を上げた。

その顔は昨晩からの彼女とは思えない泣き顔だった。

紫音は驚きのあまり、バランスを崩し、木から落ちた。

紫「えっ!?うわあ!」

沖「危ない!」

沖田は間一髪で紫音を受け止めた。

紫音は怯えた目で沖田を見ている。

紫「は、離せ!どうして来たんだ!?俺は化け物だぞ!?どうせ、あんただって怪しいから探してたんだろ!?」

紫音の言葉は自分を否定しているように思えた。

沖田の腕の中で逃げようとする紫音を沖田は離さなかった。