いつも、お見舞いに来ても



様子を見て、すぐに帰ってしまう





知さんは…



きっと、気を使ってくれてるんだろうな





なんて、思ったりする。







「もう帰るな。無理すんなよ、美夜ちゃん」





そう言い残して、病室を





出ていく知さん。








あたしは悠雅に向きなおって、





悠雅の右手を、祈るような形で





包み込んだ。





そっと目を閉じて