声を漏らすほど、強い力で 捕まれる手首。 「俺に振り向かなかったの、君が始めただからさー」 そんな声、聞こえない。 「離してっ…」 涙目になる。 「むかつくんだよね」 ぞっとするほど、冷たい声。 顔を上げて、チャラ男さんの顔を 見ると… 貼り付けたような笑みで 「だから、彼氏君から盗っちゃおうと思って」 笑顔で、なにを言ってるんだろう… この人…