「では近いうちに寄ろう」

リーシャの頭をぽんぽんと二つ叩いたオリバーは世話係を連れて宮殿にある自室へ向かった。





その日の夕方、リーシャが家に帰ると家は自分の家とは思えないほど綺麗になっていた。

浴槽や台所などの水回りは綺麗に拭き上げられ、積み上げられた本は埃が払われ、本棚に並べられていた。

物という物があるべき場所へ仕舞われ、整理整頓されている。

テーブルの上にはライルのものであろう筆致で一枚のメモ書きが置かれていた。

それには夜ご飯を作ったからちゃんと食べること。レットにはご飯をあげたこと。

そして、何がどこに仕舞われているかを書き記されていた。

家事ができ、整理整頓も上手く、気が利く。

害は無さそうだし、なかなか優良物件を拾ったのではないだろうか。

朝の時点では思いも至らなかった考えを頭に浮かべながらライルの作った夜ご飯にありついた。

その夜、リーシャはライルが昼の間に干してくれていたであろうふかふかのベッドに身を沈め、久々に深い眠りについた。