ま、さか・・・ 俺が振り返ったのと同時に、教室中から悲鳴が挙がった。 『キャァァァァァ!!』 こちらの校舎から見える屋上。 そこには・・・入れないはずの屋上。 そこで、柵を乗り越えへりに座っている―――― 絢の姿があった。 まだ、飛び降りようとする感じではなく・・・ ただ、座っているだけのようだ。 俺は、向かいの校舎へ向けて走った。 たぶん・・・これほど走ったのは、後にも先にも無いと思う。