見慣れた、京の町。


俺が落ちて来た、あの場所。


そして――――思い出の詰まった、ここ。


最後に、これでもかという位、屯所の中を歩き回った。


屯所の裏には、早くも梅が咲いている。


だけど、それを摘んで土方さんを弄る人はもういない。


沖田さんには、部屋を出る元気がもう無かった。