死を覚悟した毎日を過ごしても、やっぱり怖かった。


自分の存在が、周りから消えていくことも。


もう、刀を握れなくなることも。


もう・・・


誰にも、会えなくなるということも。


涙は不思議と出てこなかった。


だけど・・・誠が、泣いていた。


顔には、いくつもの涙の筋が付いている。



「総兄、大丈夫・・・また、握れるからっ」



涙を零しながら、そう言う誠。