それを見送り、俺は庭へと足を運んだ。 ・・・屯所に残っていた、睦月さんの刀を使って。 庭の木の根元に現れた、黒猫に視線を定める。 黒猫を斬ると、労咳避けになると言われている。 僕には、まだやりたいことがあった。 近藤さんを守る。 もう・・・その目的は果たせないけれど。 土方さんと玖於は、必死に隠そうとしたみたいだが・・・ 近藤さんがこの世にもういない。 それは、直ぐに分かった。