ダッと、二頭の馬が駆けていく。
それも、敵の大将とでも言うべき人物に。
そんな光景を見て、俺達を放っておく官軍な訳がない。
先を駆けていく土方さんの近くで、カチャッと、鉄砲で狙う音が聞こえた。
「土方さん!!土方さんっ!!」
呼んでも、土方さんは気付いてくれない。
いや・・・聞こえていないのか・・・?
「土方さんっ!ひじかたさぁぁぁぁぁんっ!!!!」
『ドォォォンッ』
銃弾の音と、俺の叫び声に気付いたんだろうか?
土方さんの馬の速度は落ち、俺の方を振り返る。
駄目だ・・・振り返っちゃ駄目なのに!!
また、俺のせいで誰かが死ぬのか・・・



