「はぁ!?んなこと、出来る訳ねぇだろ!!」
ある言葉を発した途端、土方さんは怒鳴り散らしながら机を叩いた。
まぁ、それもそうだろう。
鬼の副長と呼ばれた土方歳三。
俺は、その人に逃げる道を選ばせるのだから。
「でも、そうしないと死んでしまう。
俺は、あなたが生きる道の為なら、命だって捧げる覚悟です」
「それでも・・・周りを騙してまで、俺は・・・っ」
俺が出した提案。それは――――
とても、単純なものだ。
土方さんが戦死したと見せかけて、こっそりと逃がす。
そして、蝦夷地に戦力が集中している間に京へ。
というもの。



