ドアマンがするような白い手袋は衛生面を考慮した、携帯電話を買えば目にする“徹底ぶり”であろう。 それが誉にとっては。 「良かった、瑞希さん以外の指紋がつかなくて」 声が弾むほどに嬉しいことだった。 「手袋なければ、叩き潰していたね」 「今のショップ店員さんは、販売のプロですよ!」 「『今の』って……『昔』を知っているの?」 「あ、アマチュア……」 「クッ、そっかそっか」 確かにね、と面白い解答に笑ってみせた。