「ま、お前の心は誰か違う者にいっているようだがな」


「…え」


「故にオレは、こんなことしかしてやれない。原田が好きなのだろう?」


「斎藤さん……」


「あいつなら、お前を任せることができる。だが、お前が泣くようなことがあれば容赦なくオレが奪いにいく」


お茶を、ズズッと啜って部屋を出て行った斎藤さん。


「やっぱりモテ期だ…」


一人部屋に残ったあたしは呟いた。


次の日、沖田さんが戻ってきた。


誰もが皆、沖田さん一人で戻ってきてほしいと願っていた。


だけど、その思いは届かず隣には笑顔の山南さん。


そして俯いた沖田さんがいた。


「山南さん!」


あたしは山南さんの元に駆け寄った。