声をかけるか悩んでいると


「莉世ちゃん、そこにいるんでしょ?隠れてないで、おいでよ」


もう既に見つかっていた。


ゆっくりと沖田さんに近付き隣に座った。


「さっきは、ごめんね」


「……え」


「僕にはさ、これしかないんだよ。戦って戦って近藤さんを守りたいんだ」


「…うん」


「だから安静にしてろ、池田屋には行くなって言われて、どうしていいか分からなくなったんだ」


「…うん」


あたしは黙って聞くことしかできなかった。


「でも…」


「……?」


「でもさ僕、安静にしてたら労咳にならないかもしれないんでしょ?」