「こいつ泣いてたぞ」
「……あぁ」
原田さん“あぁ”しか言ってない。
「莉世、ごめんな」
原田さんが、あたしの髪に触れた。
「はぁ…。とりあえず、こいつ寝ちまってるし今日は、ここで寝かせる。いいな?」
「あぁ。…なぁ、土方さん」
「あ?」
「莉世、いつか元いたところに帰るんだよな」
そっか、あたしずっとみんなと一緒にいられないんだ。
「そうだな。いつかは帰るだろうな」
「だよな、うん。悪ぃ。もう寝るわ」
そう言って原田さんは部屋を出て行った。
あたしはパチッと目を開き原田さんが出て行った襖を見ていた。

