それに気付いた原田。
「…莉世?」
原田さんが離れた瞬間に、あたしは彼から離れ立ち上がった。
「…めて…だ…のに…」
「え?」
「初めてだったのにっ!!原田さんのバカー!」
あたしは泣き叫びながら部屋を飛び出した。
「莉世!」
原田さんの声が聞こえたけど構わず廊下を走った。
な…んで。
原田さんが好きだけど原田さんは、あたしのこと何とも思ってないのに何で、こういうことができちゃの!?
あたしの心は乱れていた。
「これから、どうしよう…」
独り言を呟きながら、あたしは庭に出た。
とりあえず落ち着きたくて、あたしはその場にしゃがんだ。
その時。
「そこにいるのは莉世か…?」
後ろから声が聞こえた。

