「じゃぁ言うね。土方歳三、新撰組の鬼の副長として恐れられてますよね。あと有名なのは、お姉さんの、のぶさん。あとは石田散薬かな」
スラスラと言うあたしに土方も目を見開いている。
「次に近藤さん」
あたしが名前を呼ぶと目をランランと輝かせて待っている。
うっ……。
そんな期待されても、あたし近藤さんって良く分からないんだよな…。
だって今、言えないようなことばっかりなんだもの。
「えっと、近藤勇、新撰組局長ですよね」
ヤバイ。
これしかない…。
あと思い付くのは…。
「近藤さんの特技は口に拳骨を丸ごと咥えこむことなんですよね!」
ごめん、近藤さん。
これしか思い付かない…。
それなのに
「いやー!そんな特技が未来に伝わってるのか!」
喜んでた。
ほんと良い人。

