「ご心配なく。証拠はなくても犯人は逮捕できます」 象牙のように白い顔で微笑まれたとき、妙に説得力を感じたサトウは原田へ車を回すように命じた。 そのとき、原田の携帯が鳴った。 「……はい」 原田はひと言だけ返事をすると携帯を閉じた。 「たったいま息を引き取ったそうです」 「そうか」 サトウは静かに返事をかえしたが、心の中では“この疫病神め!”と瑠諏を罵っていた。