「連邦捜査官を殺したんですか?」 唐突な質問が気に障ったらしく、由貴は目力を入れて瞼を全開にする。 「殺してないわ!」 「信用に欠けますね」 「血を吸って映像を確かめないと信用できないんだ」 由貴が馬鹿にするように挑発する。 「そんなことありませんよ」 「過去の犯罪歴なんてなんの役にも立たないんだから」 由貴はそっぽを向き、完全に不貞腐れてしまった。