吸血鬼は淫らな舞台を見る



「なんだよ、こんな朝早く」

 迷惑そうに顔の幅だけドアを開けた。


「倉成さん。昨夜はどちらに居ましたか?」

 サトウが警察手帳を見せながら穏やかに質問する。


「昨日はずっと家に居たよ」

 倉成は表情を変えずに答えた。


「なにしてました?」


「テレビ見てたよ」


「そうですか。誰かと一緒でしたか?」


「いいや、1人だった。ちょっと待てよ、おれはなにかの事件の容疑者なのか?」

 倉成がすねたように訊き返す。