「…ふ、う……っ。うえ…」


まだ慣れない制服を着て、まだ慣れない図書室の片隅で泣いている女の子が1人。


それが私、水無月愛菜。


ほんの数日前に高校生になったばかりだ。



自分の将来のために選んだところなのに、誰1人知っている人がいないここでの日常は想像以上にキツかった。



もともと内気で、自分から話し掛けられない私にとったら、自分から地獄の入り口に立ったようなものだった。



それでも自分の将来のためだと、決意したのにこんなにもあっさり崩れてしまった決意。