「あ、あのね、愛梨…」



若菜が少し悲しい表情で私を見た。




「宮野君が……」





そこまで言ったところで、後ろから甘ったるい声が聞こえた。



「んー♡」




葵と女の子が後ろでキスしているのが見えた。



今まで、こんな朝から見せることなんてなかったのに…。




きっと私のことが凄く憎いんだよね…。





「私はもう大丈夫だから‼」




笑顔で若菜に応えてそのまま教室に入った。



そんな私のことを悲しそうな表情で葵が見ているとも知らずに…。