「俺の好みとは言ってないけど。
無人島で日常生活の撮影なのに、必要以上に濃いメイクは合わないんじゃないかと思っただけ」
 


顔を赤くして、一生懸命説明する私を見て、エリックさんはそう言いながら、耐えられないといった感じで吹き出した。


ものすごく恥ずかしい......っ。
何を勘違いしてたんだろう。


エリックさんが、私に自分の好みを求めるわけない。
むしろ私の顔なんてどうでもいいだろうし。


この場から走り去りたいくらい恥ずかしいのに、エリックさんは私の顔から手を離そうとしない。

近いんだけど......。
この雰囲気は......。


もしかして、もう恋愛シチュエーション始まってる?
私が知らないだけでカメラ回ってるとか?


後ろを振り向けばすぐに分かるけど、なんとなく目をそらすことができなくて、振り向くことができない。


たぶんカメラが回ってるんだ。
だって、カメラの前じゃなきゃエリックさんがこんなにも優しい目で私のことを見るわけが.......。