「当たり前!もう友達でしょ?

今まで僕たち関わりなかったじゃん?
でも最近少し話すようになって思ったんだけど、本当はずっと前から友達.......仲間だった気がするんだ」


「仲間......?」


「うん。だって歌ってる時にさ、ミスしても誰かがフォローしてくれる。
それに、これだけ気持ちよくピタッと声が合うのはメンバーだけなんだね。

安心して一緒に歌える。
心のどこかでは無意識のうちに、みんなのこと信じてたんだ」



特に意識して考えたことはなかったけど、言われてみれば私も同じ。

どれだけ裏で対立し合ってても、歌う時はスッと入っていける。

一人の時よりもメンバーと一緒の時の方がずっと。
誰の声も邪魔にならず、パフォーマンスに絶大な信頼を置いている。



「気持ちよく歌えるのって、私たち歌手にとって一番大切なことだよね......」



別に歌が気持ち良く歌えたからと、私たちの仲が良くなるわけじゃない。

それでも、あれだけ憎んでいたキャシーさえ、少なくとも歌の面においては信頼していことは事実で。


こんなグループどうなったっていいと思っていた。

愛着も未練もない、と。

でも本当は私......。