ホテルに戻り四人と別れてから、私......とエリックさんは彼の部屋に向かう。



「あの、エリックさんの部屋で話するんですか?」


「そう、その方が落ち着いて話せるから」



エリックさんと二人きり......。

ほんの少しだけ胸を弾ませながら、部屋に入る。



「二人ともおつかれ、突然ごめんね」



そこにはすでによく知った顔、私たちのマネージャーが窓際の椅子に座っていた。


......やっぱり、いるんだ。
期待してたわけじゃないけど、なんだかガッカリしてしまった。

うそ、本当は少しだけ、ほんの少しだけ期待してた。

少しの時間でも二人だけで話ができるんじゃないかって。
マネージャーから呼び出されたというのは口実で、誘ってくれたんじゃないかって。


そんなわけないのに。
二人きりになりたいどころか、関わりたくないとまで言われたのに。


当たり前のことも分からない私は、とことん学習能力がないみたい。
これだから、ストーカーみたいだと彼から嫌われるんだろう。


二人で行くのなら北京ダックより回らないお寿司よりも、どんなところでも嬉しいなんて、そんなのどうかしてる。