一人言のような言葉を発した後、私と俊輔さんは顔を見合わせた。

同時に同じ言葉を言ったから。

何か言おうとして、またお互いの言葉が重なる。



「先、どうぞ?」


「......俺たちって何なんだろうな。

お互いに本心も言えない。
何かあったとしても、今みたいに適当に距離とって、その場しのぎですませるだけ。

理解したくても、これじゃ無理だよな。
俺も言えないから悪いんだけど......」


「うん......」



本心が言えないから理解できないのか、それとも本心を言ったとしても理解できないのか。

両方、かもしれないけど。


エリックさんを好きになるんじゃなかった、そしたらキャシーのことも憎まなくても良かったのに。


ああ、でも、私は何のためにここにいるんだっけ。

エリックさんがいるからだ、彼がいなかったらきっと、続けてこれなかった。

ここにいたくないと思うのも、エリックさんがいるから。

......もう良く分からなくなってきた。


何を言ったらいいのか分からなくて、言葉を探す。