たとえ愛なんてなかったとしても

「うん、抜け出したことバレたら適当に言っておいて。

今日はもう帰ろう、ミヒ」



しばらく二人でヒソヒソ話していたけど、どうやら私を帰すことで話がまとまったらしく。
帰ろうと言う俊輔さん。



「やだ、帰りたく、ない。
エリックさん、待ってる」



冷静に考えたら、こんな状態では帰った方がいいに決まってる。

だけどもう理性のない状態で、エリックさんのことしか考ることができなかった。


さっきまで楽しかったのに、急に悲しくなって、好きな人に会いたくなる。

やっぱり精神不安定な時にお酒なんて飲むものじゃない。
安定してる時なんて、ほとんどないけれど。


泣きながら、壊れたレコーダーのようにひたすらエリックさんの名前を呼ぶ、この上なく迷惑な私。



「明日会えるから。
今日は我慢しような?」


「できないっ......。
今日が、いい......!」