「…そっか。そうだよな、さすがに高校離れると無理だよなー。当たり前のことだし、川原が謝ることじゃない。」

「…ううん、何となく分かってたから、最初からサッカー見に来るのも断るべきだったかなって。」

断る勇気もないダメ人間だから。

ごめんね、傷つけて。


「それは関係ねぇよ。見に来てくれてよかった、ありがとな。」

どこまでも優しい彼は、そう言うとあたしの背中を押して「じゃあな」と言った。

あたしが自分を責めないように。


どうして自分を好きになってくれる人を好きになれないんだろう。

…どうして希龍くんじゃなきゃダメなんだろう。