「俺やっぱり川原のこと好きだ。」


こうなることも何となく分かっていたのに、あたしの思わせ振りな態度が、難波くんに期待を持たせてしまった。


「高校に入ってもずっと、川原に会いたいって思ってた。川原が俺のことなんか見てないの分かってる、でも俺絶対幸せにするから!」


見てないの、分かってるんだ…

あたしも意外と分かりやすいのかな…


「俺と付き合ってください!」

難波くんらしい告白だった。


この人は嘘をつかない。

だから、あたしも嘘をつけない。


「…ごめんなさい、好きな人がいるの…」


何て言おうか考えた。

友達としてしか見れないとか、今は彼氏いらないからとか…

でもそんなの、難波くんに失礼だ。

真正面からぶつかってきてくれてる難波くんに嘘をつくことなんてできない。