「…ちょっと時間ある?」

「え?」

「話したいんだ。」


悲しそうに笑って、「ダメかな?」なんて言ってあたしを見つめる。

そんな難波くんを見て断れるはずもなくて。


「大丈夫、話そっか…」

頷いてしまった。

難波くんが嬉しそうに笑うところを見ると、断らなくてよかった、なんて思ってしまう自分がいる。


何を話すつもりなんだろう。

久しぶりに会ったから、話そうと思っただけ?

それとも、結衣の話でもするつもり?

どっちにせよ、気まずいことに変わりはない。中学のあのころとは違う。

それは難波くんも分かってるはずなのにな…


「じゃあ、あそこのカフェでいい?」

……寄りによって…


「…川原?」

「あ…ううん、大丈夫。入ろっか。」