「みんな、遠慮してるんじゃないかな。春斗が幹部だから、仲良くしたくても遠慮しちゃうんだよ。」

「遠慮っすか。」

「うん、だから春斗から近づいていくしかないんだよ。」

きっと春斗ならすぐに、壁なんて取っ払えるはずだから。


「…俺人見知りなんですよねー…」

「え?人見知り?」

人見知りだなんて、春斗には全く無縁な言葉だと思ってたのに。

春斗が人見知り?


「はい、人見知りなんです。」

「うっそだー!」

「ほんとに!だから初対面の人にも無駄に喋っちゃうんですよね。」

「そっか、人見知りかぁ…」

そういう人もいるのかもしれない。

「まぁ、頑張りますよ。」


あたしが考えてるのを見て、春斗は気を遣ったようにそう言った。手元の野菜を見て、「切りましょうか」と言って笑う。


「春斗なら、すぐにみんなと仲良くなれるよ。」

「…ありがとうございます」