「…なぁ美波」

「何?」

急に小さくなった蒼空くんの声。

隣を見ると蒼空くんは、少し寂しそうな顔で空を見上げて話始めた。


「…会いたくても会えないのがどれだけ辛いか分かる?」

「え?」

唐突に、小さな声で。

まるで昔の自分を思い出すかのように話す蒼空くんは、どこか寂しそうだった。


「二度と、話せないし触れられないのって、すっげぇ辛いよ。」

「……蒼空くんは、そういう経験あるの?」

聞いてもいいのか迷った。

でも、話すことで蒼空くんが楽になるなら、聞いてあげたいとも思った。


「…あるよ。」

二度と話せないし、触れられない。

そんな経験なら、一度だけしたことがある。


蒼空くんとは関係が違うのかもしれないけど、あたしも一度親友を失った。

そのときのことは思い出すだけで苦しいし、胸が締め付けられる。

もっと一緒にいたかった、そればかり、頭の中をグルグル回る。