約束だもんね。

暖かい手を、あたしもギュッと握り返した。


「じゃあゆっくり休んで、早く治して。」

「もう行くの…?」

こんなことを言ってしまうのは、きっと熱があるせい。

「美波が寝るまでここにいるよ」

そう言うとベッドの傍に座って、あたしの額に手を当てる。

希龍くんの手よりも暖かいあたしの額には、それは心地いい体温だった。


「ねぇ、希龍くん…」

目を閉じて考えた。

みんながどうしてあそこまでして希龍くんを探してくれたのか。

…あたしが気持ちを伝えるためだよ。


「あたしね…」

今にも寝てしまいそうだった。

目を開けると、あたしを見つめる綺麗な瞳と目があった。


「希龍くんのこと、好きだよ…」

記憶が途切れたのは、それを言ったすぐあとのことだった…