「神岡、もう限界なんだよ。」

「…何言ってんの…っ」

もうこれ以上、難波くんを…希龍くんを悲しませないで。


「…神岡にも俺に言ったことと同じこと言ってたんだろ?」

驚いたように難波くんを見て、すぐにうつ向いてしまった。

それが何よりの証拠。


「あいつがどんなやつか、俺よりも由佳の方が分かってる。だったら、神岡がどうするか予想できたよな?」

横に首を振る。

「知らない…っ」

いつも優しい難波くんが怒ってる。

でもそれはきっと、分かってほしいから。


「…由佳」

「あたしのこと好きだって言ったもん!!」

布団をギュッと握りしめて難波くんを見つめる彼女は、あたしが思っているよりもずっとずっと幼かった。

本気で好きなんだ。