「会うなって言ったじゃない!!」

同じ病室だった患者さんは、気を遣うように外に出ていってしまった。


「秀太はあたしよりもその女が大事なの!?」

泣きそうだ。

この子、すごく悲しそう。


「由佳…」

「あたしが死んでもいいの!?」

こんなこと、希龍くんが聞いたら悲しむよ。


「そんなわけないだろ!!」

難波くんも悲しそうだった。

どうしてこんなことになってしまったんだ、そう思ってるに決まってる。

「だったら何で会うのっ?」

何も言えないでいた。


「…分かってるだろ。」

彼女の目から、ポタリと涙がこぼれ落ちた。

きっと気づいてる。