「…神岡、昨日倒れたんだ。今は入院してる。」

希龍くんが、入院…


倒れた?

あの希龍くんが?

あの人すっごく強いし、賢いから自分で考えて動けるんだよ。だから、倒れたりなんか…


「…ごめん、もっと早く話すべきだった。全部話そうって思ったのは、もちろん川原に協力したいってのもあったんだけど…」


難波くんの表情が、嘘じゃないと言ってる。

全部ほんとの話。

……限界なんてとっくに超えてたんだ…


「由佳を止めてやらなきゃならないと思って。」


やっぱりあのとき引き留めれば良かった。

彼がおかしいと分かったんだから、あのとき助けてあげるべきだった。


「多分もう、あいつを止めてやれるのは俺ぐらいしかいないから。」


全部終わらせる、だから行こう。

難波くんのその言葉に、強く強く頷いた。