「猫みたいなのにね。」

「あー、それ分かります。希龍さん猫みたいですよね!」

あら、共感を得てる。


「そのときは俺がどうにかする。」

蒼空くんには何かいい考えがあるんだろう。

テレビを見ながら平然とした顔でそう言った。


「ほら、蒼空くんがどうにかしてくれるって。だからいいでしょ?」

名前までつけてしまった手前、今さら見捨てることなんて出来ない。

「……絶対俺の部屋に入れんなよ?」

「大丈夫っ、入れないから」

「じゃあまぁ…いいんじゃね?」


その様子を見ていた春斗が一言

「葉太さんって美波さんに甘いですよね。」

なんて言って笑ってた。

そうか。あたしは葉太に甘やかされてるんだ。


「バーカ、美波ちゃんに甘いのは俺もお前も葉太と対して変わんねぇよ。」

自らそんなことを言ってしまう安田さんはやっぱり、ここにいる誰よりも大人に見えた。