頭の中で響く声に応えるようにその名を呼ぶ。 『月海』 「和成様……へへっ」 益々顔がにやける。 『月海』 「うふふ……和成様」 名前を呼ぶたび、気持ちが舞い上がりそうになる。 『月海』 「か・ず・な・り・さ・ま……きゃああ」 照れくさいのか、嬉しいのか、楽しいのか、よくわからない。 それらがごちゃ混ぜになった不思議な感情が極限に達して、月海はじっとしていられなくなり、布団を抱きしめて寝台の上を転げ回った。