なんとなくわかった。 塔矢が月海を引き合わせた理由が。 月海は、紗也と初めて会った頃の和成によく似ているのだ。 塔矢と月海から目を逸らして、大きくため息をついた和成を見て、月海が食ってかかった。 「私の腕をお疑いでしたら、お手合わせ願います」 和成は驚いて月海を見つめる。 頬を紅潮させて睨みつけていた。 どうやら、和成のため息を小馬鹿にされたと勘違いしたらしい。 「控えろ、月海」 塔矢が諫めるのを和成は片手で制した。 「いいよ。真剣勝負といこう」 「え? 真剣ですか?」