「困りましたね」
「君は、困るだろうね」
「ええ」
成介は二人がこのまま離れられなくなればいいと思っている。
そしてそのために涼が再び西園寺の地位を必要になるようにと。
その点については、フェリックスはどうでもいい。
こちらは綺樹が長く、ウルゴイティの当主の地位に就いていてくれればいい。
それだけだろうか?
「彼女はあの男が誰かと結婚し、家庭を築き上げていることを知った時も、穏や
かでしょうかね?」
フェリックスの眉根が厳しくなった。
「離れた年月に寄るだろう」
「そうでしょうね」
笑いが混じっていた。

