二人とも、揺れる葉を見つめて物思いにとらわれていた。 「寒くなってきた。 風邪をひくから中に入ろう」 沈黙を破って、涼はくるりと背を向け、部屋の中に入っていく。 綺樹はたくましくなった背中を見送った。 その上に細い月がかかっている。 綺樹は口元に寂しげな笑いを浮かべた。 私は、この月を見るたびに思い出すのだろう。 呪縛のように。 この先ずっと。 今夜のことを。