忘れないでおこう。 この腕の感触と暖かさを。 もし涼が記憶を失ったら、もう人を愛することはしない。 たとえそれが記憶の無い涼であっても。 恋愛感情を捨ててしまおう。 涼の前には姿を現さない。 記憶の取戻しに手を貸さない。 私との関わりを断ち切ってあげよう。 この人には色々な、かけがえのないgiftをもらった。 もう十分だ。 病院の外に出ると空を見上げた。 薄いブルーのガラスのよう。 そう。 解放してあげる。 「綺樹?」