Storm -ただ "あなた" のもとへ-


涼は口元を歪めた。


「子どもの問題を解決しないとな。
 両家で取り合いになっている」


綺樹は疲れたように手の平を額から頬に滑らせた。


「だろうな。
 両家とも直系の子が欲しいだろうね」


まともに読んでいるのか。

どんどんページをめくっていく。


「ただ双方とも最初の子どもをよこせとは言っていない。
 性別もこだわっていない。
 体外受精で代理母出産させろよ。
 二人、ほぼ同時に生まれるだろ」


投げやり気味に言うと、綺樹は最後のページを開いてテーブルの上に置いた。


「おまえ、産まないの?」


綺樹は驚いて顔を上げると、涼は苦りきった微笑をしていた。