「これ、すげーなあ」
少々乱暴な言葉遣いに、内容を皮肉っぽく楽しんでいるのがよくわかる。
確かに内容はシビアだった。
「まあ、ウルゴイティの条件はなんとなく分かっていたけど。
西園寺も張るな」
手に協定書というより冊子のようなのを持ち、椅子の背によりかかった。
「おまえが先に死んだら西園寺姓を名乗ることをやめること
ったって、どうせ別姓だ。
ウルゴイティの姓を止めるわけにいかない。
で、子供が成人に達しない内にお前が死んだら、後見人は成介か。
両家ともお互いを互いの戸籍にいれず、別戸籍をつくることね。
だろうな」
「ウルゴイティの方が厳しいと思うけどね」
涼は腕組をして壁に寄りかかった。
綺樹はページをめくった。
「フェリックスがいるからな。
おまえとフェリックスの権力争いになるのを避けたいんだろう。
それに私はその方がいいと思う。
おまえはウルゴイティに関わらない方がいい」

