Storm -ただ "あなた" のもとへ-


枕やタオルケットを丸めて体の支えにしてやる。

本当に寝顔は年相応なのにな。

涼は少し口元をゆるめると、そっとくちびるをあわせた。

息を殺して綺樹の寝顔を至近距離で見つめる。

やっとここまで距離が近づいた。

でもまだ綺樹は二の足も三の足も踏んでいる。

押し切っていいだろうか。

いや。

涼はそっと離れた。

押し切る。

法律的にも事実的にも、他の男に座を譲るのは耐えられない。

だから涼は間髪入れなかった。


「え?なに?」


週中には夕食は家で取れなくなっていた。

その日も午前様だった。

綺樹は冷蔵庫を開けると、立ったままペリエの壜に口をつけた。

疲れた様子でちらりと涼を見た。