Storm -ただ "あなた" のもとへ-


すっかり涼の存在を忘れていて、思わずびくりとした。


「ああ、ごめん」

「眠れないのか?」


そういう涼は凄く眠そうだった。

半分しか目が開いていない。


「足、貸してみろ。
 揉んでやるから」


涼は目を閉じ横になったまま、綺樹の足を掴むとふくらはぎを揉み始めた。

眠れないのと因果関係がわからなかったが、痛いながらも気持ちよかった。

なにしろ涼の手が暖かくて気持ちよかった。

鬱々としていた気分がほぐれていく。

綺樹はベットヘッドに上体を預けて目を閉じた。

涼は目を開けて綺樹の片足を握り締めているのに驚いた。

記憶がよみがえってくる。

綺樹はベットヘッドに寄りかかったまま寝ていた。

寝苦しいだろうに。

横にさせようかと思ったが起きてしまうだろう。

それは忍びなかった。